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【不動産投資】”木造は22年で価値ゼロ”と言われた人へ|新築×木造×地元工務店という選択

岡山県で不動産会社を経営している、咲良不動産の畠中です。

「新築のアパートを勧められたけれど、木造だし、地元の工務店が建てるらしい」「大手ハウスメーカーのほうが、なんとなく安心なんじゃないか」。資産形成のために不動産投資を検討し始めた方から、こうした声をよくお聞きします。

  • 新築は、業者の利益が乗っているだけで割高なのでは
  • 木造は22年で価値がなくなると聞いた。融資も組みにくいのでは
  • 木造アパートは音が響く、安っぽいというイメージがある
  • 地元の工務店は、倒産したり、施工品質にばらつきがあったりしないのか
  • だったら、大手ハウスメーカーのほうが無難なのでは

その気持ち、よく分かります。先にお伝えしておくと、今日は「新築×木造×地元工務店が絶対に正解です」という話をしたいわけではありません。中古・RC造・大手ハウスメーカーとの違いを、構造や制度から整理して、納得して判断するための材料をお伝えします。

利回りという数字の見方は、「表面利回り7%は高いのか低いのか?」でお話ししました。数字の裏側にある「物件そのものの中身」が気になった方は、あわせてご覧ください。

新築と中古 ― 価格・利回り・融資・修繕の違い

まず、新築と中古の基本的な違いを整理します。

  • 利回り:一般的に、中古アパートのほうが利回りは高く、新築は低めに出る傾向があると言われます。私たちが仲介する新築木造アパートは、表面利回り7%前後の案件が中心ですが、これは個別の案件の話で、一般化できる数字ではありません
  • 融資:新築は担保評価が付きやすく、融資が通りやすい、期間が長くなりやすい傾向があります。中古は築年数によって条件が変わり、返済期間が短め・金利が高めになる場合や、物件によっては融資が難しい場合もあります
  • 減価償却:法定耐用年数(木造22年・軽量鉄骨27年・RC造47年)は、税務上の減価償却のために決められた年数です。中古はこの残りの年数をもとに計算するため、新築より償却期間が短くなりやすいという違いがあります
  • 修繕・募集:新築は当面の修繕費が少なく、入居者募集でも当初は有利になりやすい傾向があります

ただ、正直にお伝えすると、新築には「新築プレミアム」が薄れていくことで、数年から10年程度のうちに家賃が下がりやすい傾向があります。「新築だから安心」と一方的に言うつもりはありません。対策として、最初から家賃を周辺の相場に近い水準で設定しておくと、後の下落幅を抑えやすいという考え方もありますが、これも絶対ではなく、一つの工夫として捉えてください。

「新築は業者の利益が乗っているだけで、中古のほうがお得」という声もあります。その一方で、「中古にも売り手側の利益は乗っており、新築か中古かだけで損得は決まらない」という見方もあります。どちらが得かは、一概には言えないというのが正直なところです。

木造とRC造 ― 耐用年数・融資期間・防音・修繕

次に、構造そのものの違いです。一般に、木造はRC造や鉄骨造よりも建築費を抑えやすい傾向があります。ただし、金額は地域や仕様で大きく変わります。

「木造は22年で価値ゼロ」は本当か

法定耐用年数は、木造22年、軽量鉄骨27年、RC造47年と決まっています。ここで、誤解しやすい点をはっきりさせておきます。これは税務上、減価償却の計算に使う年数であって、「22年で住めなくなる」という建物の物理的な寿命を意味するものではありません。法定耐用年数を過ぎた木造アパートでも、メンテナンス次第で問題なく使われている物件はたくさんあります。

融資期間への影響

金融機関は、法定耐用年数を目安に融資期間を考えることが多く、RC造のほうが長い期間で借りやすい傾向があります。一方で、法定耐用年数を超える期間を認める金融機関もあります。「木造だから必ず融資期間が短くなる」と一律には言えず、金融機関、借りる方の属性、物件の担保評価によって変わります。

防音性能のイメージ

物理的な原理としては、コンクリートのほうが遮音性能に優れるのは事実です。ただ、近年の木造は工法や遮音の等級が進化していて、「木造=うるさい」という一律のイメージは、実態と合わなくなってきています。RC造でも、施工次第では音が気になるケースがあります。体感の静かさは、構造そのものより、施工の質や遮音の仕様に左右される面が大きいというのが、正しい理解だと思います。

修繕費

修繕費は、戸数が10戸程度の小規模アパートであれば、木造とRC造で長期の総額に大きな差が出ないという試算もあります。ただし、戸数や面積が大きくなるほど、RC造の修繕費は増える傾向があります。いずれも物件ごとの試算が前提で、一般論としてお読みください。

大手ハウスメーカーと地元工務店 ― 中立的な比較

ここからは、施工会社の違いです。マイホームの工務店選びとは少し切り口が異なり、「入居者に選ばれる物件を、無理のないコストで建てられるか」という、投資家目線での比較になります。

  • 建築費:同じ条件でも、大手ハウスメーカーと地元工務店とで、価格に差が出るケースがあります。大手は、広告費やモデルハウスの維持費、研究開発費といったコストが乗りやすい、という構造的な違いがあります
  • 設計の自由度と工期:大手は規格化された標準仕様が中心で、工期は早い傾向があります。地元工務店は、入居者のニーズに合わせた柔軟な設計変更に対応しやすい一方、工期はやや長くなる傾向があります。工期の早さを取るか、コストと自由度を取るか、というトレードオフです
  • アフターサポート:大手は全国の拠点による均一な体制、地元工務店は近い距離ならではの迅速な対応が期待できる、と言われます。ただ、実質的な質は「大手か地元か」よりも、その会社の保証内容や実績によって違います
  • 倒産リスク:建設業全体では、小規模な事業者の倒産が増えているとされています。ただし、「大手だから絶対に安全、地元だから危険」と単純に言い切れるものでもありません。大手でも、倒産の事例が皆無というわけではないからです

大切なのは「大手か地元か」ではなく、次にお伝えする制度面の備えがあるかどうかです。

「地元工務店で本当に大丈夫?」を、制度で確認する

それでも「地元工務店は本当に大丈夫なのか」という不安は残ると思います。感覚論ではなく、制度のレベルで確認できることを4つお伝えします。

1.建設業許可

建設業許可の有無や許可番号は、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で、誰でも無料で確認できます。施工会社を検討する際に、最初に確認できる客観的な事実です。

2.品確法による10年間の瑕疵担保責任

新築住宅は、施工会社が大手であっても地元工務店であっても、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)により、引き渡しから10年間、構造上主要な部分と雨水の浸入を防ぐ部分について、瑕疵担保責任を負うことになっています。会社の規模に関係なく、新築住宅の事業者に課されている義務です。ただし、内外装や設備は、この10年保証の対象外です。

3.住宅瑕疵担保責任保険・供託

この10年の責任を実効性のあるものにするため、施工会社は、保険への加入か保証金の供託のどちらかを行うことが、住宅瑕疵担保履行法で義務付けられています。万一、施工会社が倒産しても、保険法人から支払いを受けられる仕組みがあります。加入状況は、重要事項説明書などで確認できます。

4.住宅完成保証制度

工事の途中で工務店が倒産した場合に備える制度として、住宅保証機構などが提供している「住宅完成保証制度」もあります。完成後の不具合に備える瑕疵担保責任保険とは目的が違う、建築途中の倒産に備えるための制度です。混同しないよう整理しておいてください。

あらためて強調しておきます。これらの制度は「地元工務店だから特別に必要」というものではなく、大手ハウスメーカーを含む、新築住宅の事業者に共通する法律・制度です。「地元工務店でもこうした制度があるから確認できる」というのが正確な伝え方で、「地元工務店のほうが優れている」という話ではありません。

施工会社を選ぶ際にお伝えしているのは、まさにこうした制度面の確認です。建設業許可の有無、瑕疵担保責任保険への加入状況、過去の施工実績。感覚的な安心感だけでなく、確認できる事実を積み重ねることが、後悔しない選び方だと感じています。

なぜ咲良不動産は「新築×木造×地元工務店」を扱っているのか

私たちは不動産の「仲介」を行う立場であり、特定の工務店やハウスメーカーの利益のために物件をお勧めしているわけではありません。そのうえで、新築×木造×地元工務店の物件をご紹介することが多いのには、理由があります。

  • 会社員の方の信用力を活かした融資が組みやすい場合があること
  • 法定耐用年数をフルに使った減価償却が期待できること
  • 地元の工務店であれば、入居者のニーズに合わせた設計の対応がしやすいこと

これがすべての方にとっての正解、というわけではありません。中古やRC造、大手ハウスメーカーの物件が向いている方も、もちろんいらっしゃいます。家賃保証やサブリースについては、契約内容によってメリット・デメリットが大きく変わりますので、「家賃保証は、家賃の金額を保証するものではない|サブリース契約の仕組みと落とし穴」で詳しくお話ししています。岡山市内でのエリアの考え方は、「岡山市内でアパート経営を始めるということ」をご覧ください。

まとめ

新築と中古、木造とRC造、大手ハウスメーカーと地元工務店。それぞれに一長一短があり、「絶対にこちらが正解」とは言えません。「木造は22年で価値ゼロ」という言葉は、税務上の年数が一人歩きしたもので、建物の寿命とは別の話です。「地元工務店は不安」という感覚には、建設業許可・品確法・瑕疵担保責任保険・完成保証制度という、客観的に確認できる手段があります。

大切なのは、どちらが優れているかではなく、ご自身の状況(資金計画・リスクへの考え方・目的)に合っているかどうかです。「自分の場合は新築と中古のどちらが向いているのか」「この工務店は大丈夫なのか」など、気になる点があれば、仲介の立場から中立的にご説明しますので、お気軽にご相談ください。

※本記事は一般的な傾向と制度の整理であり、個別の物件・会社によって状況は異なります。不動産投資には、家賃の下落・空室・金利の変動などのリスクが伴い、利益をお約束するものではありません。税務・法律に関する具体的な判断は、税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。

この記事の内容について、もっと詳しく知りたい方はお気軽にご相談ください。

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