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【不動産投資】岡山市内でアパート経営を始めるということ|エリア選びと賃貸需要の考え方

岡山県で不動産会社を経営している、咲良不動産の畠中です。

「岡山市でアパート経営」と聞いて、まっさきに浮かぶのが「地方都市で本当に空室は埋まるのか」という不安ではないでしょうか。特に県外にお住まいの方から、こんな声をよくいただきます。

  • 東京や大阪の物件情報は見慣れているけれど、岡山には土地勘がない
  • 区や駅の名前を見ても、どこが良いエリアなのか自分では判断がつかない
  • 人口が減っている地方都市に、わざわざ新築でアパートを建てて大丈夫なのか

その気持ち、よく分かります。今日は「岡山市は必ず伸びる」という話をしたいわけではありません。公表されているデータと、エリアを見るときの一般的な判断軸を整理して、納得して判断するための材料をお伝えします。利回りの数字の読み方は「表面利回り7%は高いのか低いのか?」でお話ししています。数字の裏側にある「場所そのものの中身」が気になった方は、あわせてご覧ください。

まず、岡山市の人口動態を正直に見てみます

不安の根っこにあるのは、やはり「人口減少」というキーワードだと思います。岡山市が公表している住民基本台帳ベースの数字(各年3月末)を見てみましょう。

  • 令和2年(2020年):人口 707,981人/世帯数 331,652世帯/1世帯あたり 2.13人
  • 令和4年(2022年):人口 702,073人/世帯数 335,215世帯/1世帯あたり 2.09人
  • 令和6年(2024年):人口 696,280人/世帯数 340,187世帯/1世帯あたり 2.05人

確かに、人口は緩やかに減っています。令和2年から令和6年の4年間で、約1.7%の減少です。ここは正直にお伝えします。

一方で、見ていただきたいのは世帯数です。同じ期間に、世帯数は約2.6%増えています。人口は減っているのに、世帯数は増えている。これは矛盾しているようで、実は一貫した動きです。1世帯あたりの人数が減り続けていることからも分かるとおり、単身世帯や少人数の世帯が増えて、世帯そのものが細かく分かれてきているのです。賃貸経営の観点で言えば、「部屋を必要とする単位の数」が増えている、という見方もできます。

もちろん、これだけで「だから賃貸需要は安泰です」と言い切るつもりはありません。一つの事実として受け止めていただければと思います。将来の人口についても、全国的な課題として人口減少の流れがあることは前提に置く必要があります。そのうえで大切なのは、市全体の平均ではなく、個別のエリアにどれだけ賃貸需要が続くのか、という視点だと考えています。

「空き家率」と「賃貸の空室率」は別のもの

エリアの話に入る前に、整理しておきたいことがあります。総務省の住宅・土地統計調査(2023年)では、全国の空き家率は13.8%で、過去最高とされています。この「空き家率」には、持ち家の空き家、別荘などの二次的住宅、売却用の住宅まで、すべてが含まれています。

私たちが賃貸経営で本当に気にすべきなのは、賃貸に出している物件のうち、実際にどれだけ入居者がついているかという「賃貸物件の空室率」のほうです。この二つを混同すると、「空き家が多いから危ない」という誤解にもつながります。かといって、「空き家率が高くても賃貸は別だから安心」と単純に考えるのも、正確ではありません。

正直なところ、岡山市の賃貸の空室率は、エリアや物件の条件による差が大きく、市全体の平均だけでは判断できない、というのが実感に近い答えです。業者独自の調査で「入居率〇%」といった数字を見かけることもありますが、公的な統計の裏付けがあるものではない点にはご注意ください。

賃貸マーケットの実情:区によって、家賃の傾向は違う

賃貸情報サイトの家賃相場を区ごとに見ると、岡山駅周辺・中心市街地を含む北区が、どの間取りでも相場が高い傾向にあります。特にファミリー向け(3LDK以上)は、北区が他の区と比べて差が大きく開いています。単身向け(ワンルーム・1K/1DK)は、北区・南区がやや高めで、中区・東区は相対的に落ち着いた水準、という傾向です(時期によって変動します)。

学生向けの需要もあります。岡山大学の津島キャンパス周辺には、一定の学生需要があると言われています。ただし、家賃の水準は時点によって変わりますので、最新の状況はその都度確認が必要です。

なお、「北区・中区は単身者中心、南区・東区はファミリー層中心」といった需要層の区分けを紹介している不動産会社のブログもありますが、これは公的な統計の裏付けがある話ではなく、あくまで一事業者の経験則です。「南区だから必ずファミリー向けが安定する」といった決めつけは避けたほうがよいと思います。

エリアを選ぶときの、一般的な判断軸

ここからが本題です。「どこにアパートを建てるか」を考えるときに、参考になると思う一般的な判断軸を4つご紹介します。

  1. そのエリアの人口が、今後10年でどう推移しそうか
  2. 誰が入居者になるのか(単身者なのか、ファミリー層なのか、学生なのか)
  3. その需要の源(工場・大学・企業など)が、撤退するリスクはないか
  4. 駐車場を確保できるか

「利回りの高さ」と「需要の安定性」は、別の軸で検討したほうがよい、という考え方があります。数字が良く見える物件ほど、この4つの軸で一度立ち止まって確認する価値があると思います。

岡山は車社会。駐車場と駅近を、どう考えるか

岡山市は、日常の移動に車を使う方が多い地域です。単身向けの物件でも、1戸につき1台分の駐車場を確保できているかどうかが、入居の決まりやすさにつながる、という見方があります。一方で、車社会であっても、電車やバス路線沿いに人が集まりやすいという考え方もあり、駅やバス停からの距離を重視する見方もあります。

私の感覚としても、どちらか一方が絶対条件というわけではなく、駅近さと駐車場の両方を満たすエリアが理想とされる傾向がある、と感じています。

見落とされがちな「需要源の撤退リスク」

判断軸の中でも、特に見落とされがちなのが、需要源の撤退リスクです。例えば、工場や大きな事業所の近くの物件が、その施設の移転をきっかけに、一気に空室が増えてしまうということは、地方都市では起こり得ます。そのエリアの需要が、特定の企業や施設一つに頼りすぎていないかは、確認しておく価値のある視点です。

なお、「北区が一番安全」「南区はファミリー向けで確実」といった区ごとの序列を紹介する記事も見かけますが、これも一事業者の経験則に過ぎません。このブログでは、特定のエリアを「ここが狙い目です」という形ではお伝えしません。大切なのは、ご自身が検討している物件について、この4つの軸で確認してみることだと思います。

岡山駅周辺の再開発をどう見るか

今後の岡山市の動きとして、岡山駅周辺では、再開発や公共交通の整備が進んでいます。ここで正直にお伝えしておきたいのは、こうした再開発の多くは分譲マンションなどが中心で、賃貸アパート経営に直接影響するとは限らない、ということです。

ただ、中心部の居住人口や商業の集積が、今後変わっていく可能性がある、という間接的な文脈として押さえておくのはよいことだと思います。「再開発があるから賃貸需要が伸びる」と単純に結びつけるのは、少し早計です。進捗や内容は変わっていきますので、最新の状況は個別に確認してください。

県外の方が抱きやすい不安に、正面からお答えします

「地方は空室が埋まらないのでは」「地方の物件は売却できないのでは」という不安は、県外の方から本当によくいただきます。地方の投資には、都心よりも空室のリスクが高い面がある反面、運用がうまくいけば高い利回りが見込める、という表裏の関係があります。

大切なのは、「地方は危ない」という漠然とした不安と、岡山市の実際のデータを、混同せずに見ることです。東京と地方都市を一般論で比べたデータが紹介されることもありますが、それは岡山市の数字ではありませんし、区分マンションを前提にした数字と、一棟アパートとでは、商品の性質も違います。単純に当てはめて比較することはできません。

これまで多くの不動産取引に携わる中で、エリアを見ずに利回りの数字だけで判断して、後から入居付けに苦労された方も、逆に一見地味なエリアでも需要の源がしっかりしていて、長く安定して収益を得ている方も見てきました。エリアの特性は、住んだことのない土地では、ご自身だけで見極めるのが難しいものです。だからこそ、地元の仲介業者の役割があると考えています。

まとめ

  • 岡山市の人口は緩やかに減少しているが、世帯数は増加しており、単純な人口減少論だけでは語れない
  • 「空き家率」と「賃貸物件の空室率」は別の指標なので、混同しない
  • エリア選びは、人口の推移・需要の源・駐車場や交通アクセスといった複数の軸で見る。「ここが絶対に安全」という単一の答えはない
  • 県外の方の不安は、東京との単純比較ではなく、岡山市のデータで一つずつ検証する

私たちの立場は、あくまで「仲介」です。特定のエリアを一方的に推奨する立場ではありません。目的やリスクに対する考え方に合わせて、エリアの特性を一緒に確認するお手伝いをしています。今すぐ動かないと出遅れる、ということを申し上げたいわけではありません。焦らず、ご自身の状況に合わせて、エリアの中身を確認してから判断してください。

「このエリアは実際どうなのか」「自分の目的に合った場所はどこか」など、気になる点があれば、お気軽にご相談ください。

※本記事の内容は、公表されている統計と一般的な判断軸の整理であり、個別のエリア・物件によって状況は異なります。将来の人口や賃貸需要を保証するものではなく、不動産投資には空室・家賃の下落などのリスクが伴います。ご判断はご自身の責任で行ってください。

この記事の内容について、もっと詳しく知りたい方はお気軽にご相談ください。

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