【不動産売却】残置物があっても売れる?|買取という選択肢の考え方|岡山市の咲良不動産
岡山県で不動産会社を経営している、咲良不動産の畠中です。
以前「”売れそうで売れなかった”その後|残置物処分は、いつ・どう進めればいいか」という記事の中で、こんな話に少しだけ触れました。不動産会社による直接の買取であれば、残置物を残したまま対応してもらえるケースが多い、という話です。そのときは、「仲介と買取、それぞれに向き不向きがある、という程度の情報として」とだけお伝えして、深くは掘り下げませんでした。
今日は、その話をもう少し掘り下げてみようと思います。岡山市中区・東区や赤磐市でも、実家や自宅の片付けが終わらないまま、売却の相談を先延ばしにされている方を数多くお見かけします。
こんな悩み、ありませんか
実家や自宅を売りたいけれど、家の中に荷物がたくさん残っている。「全部片付けてからでないと、売り出せないのでは」と思い込んで動けずにいる。片付けの時間もお金も工面できなくて、気づけば数ヶ月、数年と時間だけが過ぎてしまっている。そういう方も、少なくありません。
その気持ち、よく分かります。実は、「片付けてから売る」だけが選択肢ではないんです。今日は、残置物を残したまま売却できる「買取」という選択肢について、仕組みから注意点まで整理していきます。
まず、”買取”と”仲介”の違いを簡単におさらいします
詳しい比較は他の記事に譲るとして、ここでは簡単に整理しておきますね。
仲介は、不動産会社が買主を広く募る方式です。時間はかかりますが、市場価格に近い価格を期待できます。成約から引き渡しまで含めると、3〜6ヶ月程度かかることが多いです。
一方、買取は、不動産会社自身が直接の買主になる方式です。価格とスケジュールが早い段階で確定しやすく、最短数日〜1ヶ月程度で現金化できるケースが多いです。
価格の安さと確実さを取るか、時間をかけて高く売ることを取るか。まず、この選び方が一つあります。仲介で査定から引き渡しまで何が起きるかについては、「売却の全体スケジュール|査定から引き渡しまで何が起きるか」という記事で詳しく解説していますので、あわせてどうぞ。
なぜ買取なら、荷物を残したままでいいのか
ここからが、今日いちばんお伝えしたいことです。「なぜ買取だと残置物を残したままでいいのか」、その仕組みをお話しします。
買取業者の多くは、買い取った物件をリフォームやリノベーションして再販することを前提にビジネスをしています。そのため、解体や改修の工程の中で、残置物もまとめて処分できてしまうんですね。売主が個別に片付ける必要が、そもそもないわけです。
さらに、エアコンなど設備として使えるものは、あえて残したまま再販した方が有利な場合もあります。業者側が「残していただいて構いません」と判断することもあります。内覧のために事前にきれいにしておく必要もありません。現況のまま査定・購入してもらえるので、ハウスクリーニングや修繕の手間も省けます。
一方、仲介の場合は、実際に住む個人の買主が対象になることが多いです。荷物が入居の邪魔になるため、引き渡し時には残置物のない状態にするのが原則になります。岡山市中区・東区、赤磐市で片付ける体力もお金も工面できない、という方にとって、買取はまず知っておく価値のある選択肢だと思います。
その代わり、価格はどれくらい下がるのか
良い話ばかりではありません。買取には、価格が下がるというデメリットがあります。
不動産買取の価格は、一般的に、仲介で売却する場合の市場価格のおおむね6〜8割程度が目安とされています。これは複数の情報源で共通して見られる数字です。ただし、公的な統一基準ではありません。立地・築年数・物件の種類・需給バランス・状態・権利関係によって変動する、あくまで目安の数字です。
なぜ価格が下がるかというと、買取業者は再販のためのリフォーム費用、売れ残るリスク、保有期間中の税金・維持費、利益を見込んで価格を算定するからです。そして、残置物付きで買い取ってもらう場合は、これに加えて撤去・処分にかかる費用分が価格に織り込まれることが多いです。
ここで一つ、数字の整理をさせてください。「残置物ありだと、市場価格からさらに1〜3割下がる」という記述を見かけることがありますが、これは先ほどの「買取全体で6〜8割」という数字とは別のものとして扱った方が正確です。単純に足し算するものではなく、「買取価格が下がる理由の一つに、残置物の処分費用が織り込まれることがある」という位置づけで捉えていただくのが、実態に近いと思います。
結局、どちらが”得”なのか ―― 天秤にかけて考えてみる
ここが、今日いちばん考えていただきたいところです。自分で片付けてから仲介で売るか、そのまま買取に出すか。この選択を、天秤にかけて考えてみましょう。
まず、一軒家をまるごと片付ける場合の残置物処分費用の目安です。20万〜60万円程度といわれています。間取りや残置物の量によっては、80万円、あるいは100万円を超えることもあります。
この処分費用と、買取で価格が下がる分。どちらが大きいかによって、得か損かの傾向が変わってきます。考え方を整理すると、「自分で処分費用を払って、時間をかけて仲介で高く売る」か、「処分の手間をかけず、価格は下がっても買取で早く・確実に済ませる」か、という2択になります。
この2択のどちらが得かは、物件の価格帯によって傾向が変わりやすい、というのが一般的な考え方です。物件価格が比較的高い場合(岡山市中心部や好立地など)は、仲介と買取の価格差の絶対額が、処分費用を大きく上回りやすくなります。この場合、「片付けて仲介」の方が手取りが多くなりやすい傾向があります。
逆に、物件価格が比較的低い場合(郊外・築古・赤磐市など地方エリアを含む)は、価格差の絶対額が小さくなる一方で、処分費用や売却までの時間・不確実性の負担が相対的に重くなりやすい傾向があります。この場合、「そのまま買取」が実質的に見合うと感じられるケースがあります。
ただし、これは「必ずこうなる」というシミュレーション結果ではありません。一般的な考え方の一つの整理です。実際にどちらが得かは、物件ごとの査定額や処分費用の見積もりを取ってみないと分かりません。この点は、正直にお伝えしておきます。
これまで1000件以上の売却のご相談に携わってきた中で、こんなケースもありました。「片付けなければ」という思い込みだけで、数ヶ月動けずにいた方。実際に査定を受けてみたら、買取という選択肢の方が、結果的に楽で早かった、というケースです。
参考までに、Yahoo!ニュース(ファイナンシャルフィールド、2026年7月17日配信)でも、「相続した実家の荷物や仏壇は、処分してからでなくても売却の相談はできる」という考え方が紹介されていました。その記事では、処分の方法として、1.自分で分別処理する、2.遺品整理業者へ依頼する、3.不動産会社に相談して提携業者を紹介してもらう、という3つの選択肢が挙げられています。いずれの方法を選ぶにしても、まずは相談してみることから始まる、というのは共通しているように思います。
買取を検討するなら、業者選びがすべてと言ってもいいかもしれません
もう一つ、大切な視点があります。買取という選択肢そのものよりも、実は「どの業者に頼むか」の方が重要だったりします。
残念ながら、高い査定額だけを提示して興味を引き、詳細不明な契約をさせたり、不要な土地を新たに買わせたりする悪質な手口も報告されています。具体的な業者名は出しませんが、一般的な注意喚起としてお伝えしておきます。
見極めのチェックポイントを、リストにしておきますね。
- 宅地建物取引士(宅建士)の資格保有状況を確認したか
- 買取価格の根拠(類似事例・再販計画・コストの内訳)を具体的に説明してくれるか
- 口コミ・評判、過去のトラブル事例の有無を確認したか
- 相続や権利関係が絡む物件の場合、法務・税務の知見がある業者か
- 複数社から見積もり・査定を取り、価格だけでなく内訳・サービス内容・実績を比較したか
「うちならこの金額で買い取ります」とだけ言って、根拠を説明してくれない業者には注意が必要です。不動産会社(担当者)の選び方全般については、「大手と地元、どちらが得か|岡山市の不動産会社の選び方」という記事でも詳しくお話ししています。担当者個人の見分け方については、「宅建士の資格だけでは分からない、良い担当者を見分ける3つの視点」という記事でさらに掘り下げていますので、あわせてご覧ください。
まとめ
「全部片付けてから売る」だけが選択肢ではありません。買取という選択肢を知っておくことで、荷物の量や体力・時間に関わらず、売却を前に進められる場合があります。
ただし、価格が下がる分と処分の手間を天秤にかけて考えること。そして、業者をきちんと見極めること。この2つが大切だと思います。
1000件以上のご相談に携わってきて感じるのは、「片付けが終わってから相談しよう」と考えている方こそ、実は早めに相談した方が選択肢が広がる、ということです。
岡山市中区・東区、赤磐市で、今のご自宅や実家が、片付けてから売るべきなのか、そのまま買取という選択肢もあるのか、迷われている方は、一度公式LINEやホームページからご相談ください。荷物の状況や物件の状態を伺いながら、どちらが今の状況に合っているか、一緒に整理することもできます。
「”売れそうで売れなかった”その後|残置物処分は、いつ・どう進めればいいか」もあわせてどうぞ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事の内容について、もっと詳しく知りたい方はお気軽にご相談ください。



