【不動産売却】売却事例①売れそうで売れなかった
「築年数も浅い。場所も悪くない。それなのに、どうして売れないんだろう」
そう頭を抱える売主様は、本当に多いのです。
今日は、ある物件の売却でぶつかった壁と、そこから見えた「売れる家」と「売れない家」の分かれ目を、正直にお話しします。
問い合わせは多いのに、なぜか売れない
ある家を売却したときの、印象に残っている体験です。
その家は、住宅ローンの支払いが難しくなり、やむを得ず退去された方の物件でした(参考:住宅金融支援機構「融資住宅等の任意売却」)。
築10年ほど。外観も内装も、比較的きれいな状態です。駅から徒歩15分。正直、私も「これはすぐ売れるだろう」と思っていました。
ですが、現実は違いました。
年数も浅く、条件も悪くない。実際、問い合わせや内覧の予約はしっかり入っていました。それなのに、なかなか成約に至らないのです。
「なぜだろう」
そう思いながら、私は案内のときの反応を、一つひとつ拾っていくことにしました。
内覧された方が、そろって気にしていたこと
まず、多くの方が口にされたのが、これでした。
「…この壁、穴が開いてますね」
室内の壁に、明らかに目立つ穴があったのです。おそらく、退去のときに家具をぶつけてできたものだと思われます。
もちろん、「ご成約いただければ修繕します」とご説明はしていました。
ですが、ここに大きな落とし穴がありました。
「直します」では、なぜ遅いのか
買主様の立場になって、想像してみてください。
壁に穴が開いている家を見たとき、こう思いませんか。
- ここで、何かトラブルがあったのでは?
- 家庭環境が荒れていたのでは?
- 子どもが暴れたのか、何か事情があったのか…
つまり買主様は、「物件そのもの」ではなく、この家で起きていたかもしれないストーリーを想像してしまうのです。
この「想像」が、不安につながります。そして不安は、そのまま購買意欲の低下に直結してしまいます。
さらに印象を下げていた「残置物」
もう一つ、大きな要因がありました。室内に残されたままの荷物です。
- 衣類や生活用品が残っている
- 家具や家電も置きっぱなし
いわゆる「残置物あり」の状態です。中には写真なども残っていて、「どんな人が住んでいたのか」まで想像できてしまう状況でした。
これも、「引き渡しまでにすべて取り除きます」とご説明はしていました。ですが、問題は”見せている今この瞬間”にあったのです。
見えすぎる情報は、逆効果になる
本来、内覧で大切なのは、たった一つです。
「ここに住む自分」を、買主様にイメージしてもらうこと。
ところが、前の住人の生活感が強すぎたり、人物像まで想像できてしまったりすると、買主様は無意識にこう考えます。
「ここ、自分の家っていう感じがしないな…」
つまり、”自分ごと”にできない状態になってしまうのです。どんなに条件が良くても、心が動きません。
改善したら、一気に成約へ
そこで私は、次の対応を行いました。
- 壁の穴を、見せる前に修繕する
- 残置物をすべて撤去し、軽く掃除をする
- 室内を、シンプルで”無”に近い状態へ整える
すると、どうなったか。
それまでまったく決まらなかった物件が、一気に成約へとつながったのです。
この体験から学んだこと
今回の件で、私が強く感じたのはこのことでした。
売れない理由は、「条件」ではなく「印象」にあった。
特に大切なのは、この2つだと考えています。
- マイナス要素は、「事前に消す」
- 余計な情報は、「見せない」
これから売却をお考えの売主様へ
もしこれから家を売るなら、ぜひ意識していただきたいことがあります。
- 「直します」ではなく、できる限り「直してから見せる」
- 「生活感」ではなく、「余白」を見せる
たったそれだけで、結果は大きく変わります。
もちろん、どこまで手を入れるべきかは、物件の状態やご事情によって変わります。「すべて直さなければ売れない」ということではありません。費用をかけずに印象を整えられる部分も、たくさんあります。
大切なのは、効果の高いところに、必要なぶんだけ手をかけること。そこは私たちが一緒に見極め、ご提案します。
ご縁のあった家が、次の住まい手のもとで、また笑顔とともに咲いていく。そのお手伝いができればと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
「うちは、いくらで・どう売るのがいいの?」
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売却の進め方は売却・資産運用のページでもご紹介しています。
まずは今のお家の状態から、一緒に整理しましょう。



